2023年度科目Ⅲ電気設備及び機器の問題の解答と解説です。
こちらは問題7と問題8の前半部分となります。
後半部分、問題9と問題10は下記リンクまで。
科目Ⅲ 電気設備及び機器
一般財団法人 省エネルギーセンター
令和5年度(2023年度)エネルギー管理士 科目Ⅲ 電気設備及び機器
問題7 問題8
問題7 工場配電
(1)問題
電力系統を構成する送配電線で、短絡などの系統故障が発生すると、故障点を中心に事故電流
による電圧低下が広範囲に発生する。電圧低下が発生すると、その大きさや(1)によっては
電力を使用する需要家側の機器類に悪影響を与えることになる。
電圧低下が瞬時であっても、需要家側では、使用される電動機の運転・停止に用いられる
(2)の解放、FAシステムなどに使用されるコンピュータのデータ消失、プロセス制御の
誤作動、生産ラインの停止など問題が発生する。
ア ラッチ式電磁接触器 イ 高圧負荷開閉器 ウ 常時励磁式電磁接触器
エ 故障継続時間 オ 残留磁束 カ 絶縁強度
(1)解説と解答
(1)文章から(1)に当てはまる解答群は エ 故障継続時間 オ 残留磁束 カ 絶縁強度 になる事が予想できます。
電圧低下はその大きさ(電圧低下の度合い)と故障継続時間によって需要家側の機器類に悪影響を与えることになります。
(2)瞬時電圧低下の影響は、電圧が20~30%低下するとコンピューター制御部やメモリの消滅、
OA機器の停止、蛍光灯や水銀灯など放電灯の消灯が発生し、50%低下すると数サイクル以内で
電動機回路の電磁接触器が解放して生産ラインに影響がでるとされています。
解答群から ア ラッチ式電磁接触器 ウ 常時励磁式電磁接触器の二択になります。
しかしラッチ式とは機械的に保持する事から電圧が降下しても投入状態を保持します。
常時励磁式は投入コイルを励磁している間のみ投入状態を保持することから常時励磁式電磁接触器が
適切であると言えます。
(1)エ 故障継続時間 (2)ウ 常時励磁式電磁接触器 6点
(2)問題
太陽光発電は、太陽電池の(3)を利用して光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する
発電方式である。太陽光は再生可能エネルギーであり、温室効果ガスの排出量の削減に貢献できる
ため、太陽光発電設備が普及・拡大している。
太陽光発電設備は、太陽電池、電力変換装置、系統連系保護装置から構成され、このうち
電力変換装置と系統連携保護装置を合わせて(4)と呼んでいる。この装置に要求にされる
機能としては、電力変換や連系保護に加え、装置を日射量に応じて最適の条件で有効利用
するための(5)機能、商用電源側の停電時に独立電源として使える自立運転機能などがある。
ア サイクロコンバータ イ パワーコンディショナ ウ パワーモジュール
エ 光電効果 オ 光磁気効果 カ 光触媒効果
キ 最大電力点追従 ク 自動負荷分担 ケ 電力回生
(2)解説と解答
(3)太陽光発電は、太陽電池の光電効果を利用して光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する
発電方式です。
光磁気効果 物質に光を照射すると磁化が生じる
光触媒効果 ?
(4)太陽光発電設備は、太陽電池、電力変換装置、系統連系保護装置から構成され、このうち
電力変換装置と系統連携保護装置を合わせてパワーコンディショナと呼んでいる。
サイクロンコンバータ 入力周波数より低い周波数の交流を得ることができる電力変換装置
パワーモジュール パワー半導体を含む複数のICを組み合わせ
(5)この装置に要求にされる機能としては、電力変換や連系保護に加え、装置を日射量に応じて
最適の条件で有効利用するための最大電力点追従機能、商用電源側の停電時に独立電源
として使える自立運転機能などがある。
自動負荷分担 複数の発電機を並列運転した場合に、各発電機の定格出力に基づいて各発電機の 出力制御をおこなう
電力回生 回転が維持されている状態から減速に推移する過程で、電動機が発電機となり電力を生み出す
(3)エ 光電効果 (4)イ パワーコンディショナ (5)キ 最大電力点追従
(3)問題
工場配電では、工場負荷の力率を所定の値に維持するため進相コンデンサを複数台設置し、
負荷の増減により変化する力率に応じて、進相コンデンサを開閉して力率を制御する方法が
一般に採用されている。
進相コンデンサによる力率制御の代表的な方式としては、力率の変動パターンが周期的に
繰り返される場合に用いられる時間制御方式や、計測した回路の(6)電力とあらかじめ設定した
値(整定値)とを比較して、進相コンデンサの開閉を行う制御方式がある。
なお、後者の制御方式では進相コンデンサが、投入・遮断を繰り返す(7)現象が生じないように、
整定値の設定に注意する必要がある。
ア ハンチング イ フェランチ ウ フリッカ
エ 平均 オ 有効 カ 無効
(3)解説と解答
(6)計測した回路の負荷とあらかじめ設定した値(整定値)とを比較して、進相コンデンサの
開閉を行う制御方式がある。
夜間の軽負荷時にはコンデンサによって進み無効電力が大きくなることを防ぐため
負荷=有効電力
(7)
ハンチング ある特定の周波数で設計不良・配線不良などが原因で、本来予想されない発振が起き、機能に支障をきたす現象
フェランチ 送電端の電圧よりも受電端の電圧が高くなる(軽負荷時、進み系統となるため)
フリッカ 電圧が短い周期で変動すること 。電灯の明るさにちらつき感(フリッカ )を生じる
(6)オ 有効 (7)ア ハンチング
(4)問題
配電線路に高調波が含まれると、線路に接続された負荷機器にさまざまな障害が発生する。
変圧器や電動機など鉄心を使用する機器では、(8)の増大による加熱、うねり、振動が発生する。
また、進相コンデンサや進相コンデンサ用リアクトルの高調波障害は、主に(9)によることが多い。
さらに、計算機や制御装置などの電子機器では、電源電圧の波形ひずみなどが誤作動や
ノイズの原因となる。
高調波障害を軽減するには、高調波を発生する側に対してはその抑制対策が、
影響を受ける側に対しては高調波耐力の向上対策が必要である。
ア 回路共振 イ 残留電荷 ウ 静電誘導
エ 鉄損 オ 銅損 カ 誘電損
(4)解説と解答
(8)鉄損 おもにヒステリシス損と渦電流損を合わせた損失です。
このうち、渦電流損は高調波によりが増加します。よって鉄損の増大につながる。
銅損 巻線の抵抗成分により発生する損失です。
誘電損 誘電体に交流電界を加えたとき、誘電体内の損失です。
(9)進相コンデンサや進相コンデンサ用リアクトルの高調波障害
高調波電流に対する回路のインピーダンスが共振現象などにより減少し、過大電流が流入する
ことによる、加熱、焼損、振動、うなりの発生がある。
(8)エ 鉄損 (9)ア 回路共振
(5)問題
図1に示すように三相3線式の高圧配電線路の負荷端に、常時の電力が800kWで最大電力が
1300kWとなる平衡3相負荷が接続されており、負荷の力率は80%(遅れ)で一定である。
ここで、この負荷と並列に進相コンデンサを接続して力率改善を行うことにした。力率改善のために
接続した進相コンデンサは、負荷が800kWのときに負荷端における力率を95%(遅れ)
とするために必要な容量とした。ただし、負荷端電圧及び負荷力率は、負荷の大きさに
かかわらず、力率の改善前後において一定とする。
1)問題
負荷が800kWのときの高圧配電線路の電力損失は、進相コンデンサを接続して95%(遅れ)
に力率改善することによって、力率改善前に比べてA(ab.c)(%)低減する。
2)問題
力率改善後、負荷力率が一定のまま負荷が800kWから最大の1300kWまで増加した時、
負荷端の力率は95%(遅れ)からB(ab.c)(%)に低下する。
(5)解説と解答
1)解説と解答
三相3線式の電力損失を求めるには
Pl=3×I^2×r
力率改善をして変化するのは電流Iとなり電流の2条を比較すれば答えがでます。
三相3線式の電力損失を求めるには
P=√3×I×V×cosθ
力率改善前
P=√3×V×I×cosθ 800×10^3=√3×V×I×0.8
I=1000×10^3/√3×V
力率改善後
P=√3×V×I×cosθ 800×10^3=√3×V×I×0.95
I=842.1×10^3/√3×V
比較(力率改善前−力率改善後)
(1000×10^3/√3×V)^2−(842.1×10^3/√3×V)^2
=29.1%となります。
2)解説と解答
まずコンデンサの容量を求めます。
力率80%改善前
皮相電力S=有効電力P/力率cosθ S=800/0.8 =1000kVA
無効電力Q=皮相電力×sinθ =1000×√(1^2ー0.8^2) =600kVar
力率95%改善前
S=800/0.95 =842.1kVA
Q=842×√(1^2ー0.95^2) =262.914kvar
Qc=600-262.914 =337.086kvar
次に1300kWに負荷が変更しコンデンサ容量を考慮し計算します。
皮相電力S=√(有効電力P^2+無効電力Q^2) 無効電力Q=有効電力P/力率cosθ×sinθ
=√(1300^2+(1300/0.8×0.6ー337.086)^2)
=1448kVA
力率cosθ=有効電力P/皮相電力S =1300/1448 =89.8%
(A) 29.1 (B) 89.8
(6)問題
図2は、ある工場において、電力需要の大きい斜線部の時間帯の負荷を、、電力需要の少ない
時間帯に移行する計画を示した電力日負荷曲線である。ただし、負荷移行の前後で、総消費電力量
は変わらないものとする。なお、この工場の合計設備容量は1200kwである。
1)問題
図2に示すように13時から17時の時間帯の需要電力が600kWで一定になるよう、
17時から21時までの時間帯に各時間均等に負荷移行することとした。この対策により、
この工場の負荷移行後の需要率はC(ab.c)(%)となる。
1)解説と解答
需要率= 最大需要電力 / 設備容量の合計
最大電力は700kWです。合計設備容量は1200kwです。
需要率=700/1200 =58.3%
2)問題
この工場の1日の負荷率を65%以上とするには、最大需要電力がD(abc)(kw)以下
となるように、需要電力の大きい時間帯の負荷を他の時間帯に移行する必要がある。
2)解説と解答
負荷率= 平均需要電力 / 最大需要電力
平均電力を求めます。
平均電力=電力kw×時間h/該当の時間
=(200×8+700×4+300×1+800×4+200×7)/24
=387.5
0.65=387.5/最大需要電力 =596kw
(C) 58.3 (D) 596
問題8 工場配電
(1)問題
1)問題
配電線路の電力損失を低減する対策は、(1)の低減と線路抵抗の低減に大別できる。
このうち(1)を低減する対策としては、次のものがある。
①負荷に供給する配電線路は、高い供給電圧を選定する。
②負荷に供給する配電線路の回線数を(2)させる。
③線路の負荷端に力率改善用の進相コンデンサを設置する。
④2台以上の変圧器の低圧配電線を相互に接続する(3)方式などの配電方式を採用する。
また、線路抵抗を低減する対策としては、次のようなものがある。
①太い電線に張りける。
②負荷の近傍に変圧器を設置して、変圧器二次側線路の亘長を短縮する。
ア バンキング イ 常用予備切替 ウ 放射状
エ 減少 オ 増加
カ 線路電流 キ 励磁電流 ク 漏洩電流
1)解説と解答
配電線路の電力損失
Pl=3×I^2×r
上記の公式より①線路抵抗の低減と②線路電流の低減に大別できます。
線路電流を減少させるには、①負荷に供給する配電線路は、高い供給電圧を選定する。
②負荷に供給する配電線路の回線数を増加させる。→1回線当たりの電流を分流させ低下させる。
③線路の負荷端に力率改善用の進相コンデンサを設置する。
④2台以上の変圧器の低圧配電線を相互に接続するバンキング方式などの配電方式を採用する。
→低圧系統は主に放射状方式、バンキング方式、低圧ネットワーク方式に分類されます。
高圧系統も含めそれぞれの特徴など覚える必要があります。
放射状方式 配電用変圧器ごとに独立した低圧線を放射状に引き出す最も単純な方式。
バンキング方式 2台以上の変圧器の低圧配電線を相互に接続する。電力損失、電圧降下の軽減。
低圧ネットワーク方式 2回線以上の特別高圧、高圧配電線によって供給され、低圧側はネットワーク母線を構成して並列運転する、高信頼度を要求する回線。
(1)カ 線路電流 (2)オ 増加 (3)ア バンキング
2)問題
変圧器で発生する電力損失の低減策としては、次のものがある。
①「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に規定する基準エネルギー消費効率を満足する変圧器を採用する。
②軽負荷時、変圧器の無負荷損を低減する為に負荷を切り替えたうえで一部バンクの(4)を行う。
ア 過負荷運転 イ 並行運転 ウ 停止
2)解説と解答
無負荷損は負荷が接続されていなくても、電圧が印加されていれば生じる損失です。
上記から複数運転で軽負荷時は停止を行うことで損失の低減を図ります。
(4)ウ 停止
(2)問題
工場や事業場の電力需要は、季節変化、平日と休日、時間帯、設備の運用形態などによって
大きく変動する。この変動を抑制して工場の最大需要電力を低減する事は、(5)を高めることに
つながり、電気料金の節減や工場内の受電設備・配電設備の効率的な運用を可能にする
重要な取り組みの1つである。電力需要の変動を抑制し、最大需要電力を低減する対策として、
①~③のような方法があげられる。
①蓄電池や蓄熱システムの活用
②1つのエネルギー源から電気と熱を取り出して利用する(6)の活用
③電気利用の便宜を損なうことなく、最大需要電力を一定の値以下に抑制する(7)制御の実施
ア コージェネレーション設備 イ セラミックヒーター ウ 電気温水器
エ デマンド オ 位相 カ 電圧
キ 需要率 ク 負荷率 ケ 力率
(2)解説と解答
(5)最大需要電力が関係する公式を探します。
需要率= 最大需要電力 / 設備容量の合計
負荷率= 平均需要電力 / 最大需要電力
問題文から最大需要電力を低減すると負荷率を高めることにつながります。
(6)最大需要電力を低減する対策
①蓄電池や蓄熱システムの活用
②1つのエネルギー源から電気と熱を取り出して利用するコージェネレーション設備の活用
コージェネレーション 天然ガス、石油等を燃料として、タービン等の方式により発電し、その際に生じる廃熱も同時に回収する。
③電気利用の便宜を損なうことなく、最大需要電力を一定の値以下に抑制するデマンド制御の実施
デマンド制御 各種設備の消費電力量を監視し、最大デマンドを超えないよう自動で設備の電源や消費電力量を調整してくれる。
(5)ク 負荷率 (6)ア コージェネレーション設備 (7)エ デマンド
(3)問題
平衡な3相交流電圧は、各相の電圧の大きさが等しく位相差が120°であるが、実際には各相の
電圧の大きさ・位相差にばらつきが生じることがある。これを電圧不平衡と呼ぶ。
3相の電動機の入力電圧が不平衡であると、(8)電圧によって電動機に(8)電流が流れる。
これによる回転磁界は回転方向と反対方向である為ブレーキとして作用し、電動機入力が
増加して損失が増加するとともに、温度上昇や振動・騒音の増加を招く。
電圧不平衡が発生するのは、3相交流回路の各相に接続する単相負荷が均等でなく電流が
不平衡となる場合や、配電線路のインピーダンスが相間で異なる場合などである。
電圧不平衡を抑制する為には、発生要因が前者の場合、次の①及び②のような対策があげられる。
①単相負荷を各相にバランスよく配分する。
②同等容量の2組の単相負荷に電源供給する場合は、3相を2相に変換する(9)結線の
変圧器を使用する。
ア スコット イ Y-Y ウ Δ-Y
エ 逆相 オ 零相 カ 直流
(3)解説と解答
(8)3相の電動機の入力電圧が不平衡であると、逆相電圧によって電動機に逆相電流が流れる。
これによる回転磁界は回転方向と反対方向である為ブレーキとして作用し、電動機入力が増加して損失が増加するとともに、温度上昇や振動・騒音の増加を招く。
(9)電圧不平衡を抑制する為には、発生要因が単相負荷が均等でなく電流が不平衡となる場合、次の①及び②のような対策があげられる。
①単相負荷を各相にバランスよく配分する。
②同等容量の2組の単相負荷に電源供給する場合は、3相を2相に変換するスコット結線の
変圧器を使用する。
スコット結線の変圧器とは、3相を2相に変換する変圧器です。二次側は単相2回路で構成され2系統の単相回路のバランスが取れれば、電源側のバランスもとれます。
(4)問題
ある工場では、図に示すように、三相3線式2回線の6600V高圧配電線路により、A棟とB棟に
配電している。負荷の大きさは、A棟が2000kW(遅れ力率80%)、B棟が1200kW
(遅れ力率95%)で、いずれも平衡3相で定電力負荷である。
ここで、線路1及び線路2は線路インピーダンスは等しく、1相当たりの抵抗は0.4Ωで、
リアクタンス分や線路1及び線路2以外のインピーダンスは無視できるものとする。
また、開閉器Sが閉路の時の負荷接続点の電圧は6600Vで、常に一定に維持されているものとし、
負荷力率は力率改善前後で変わらないものとする。
1)問題
開閉器Sが開路の時、線路1及び線路2の合計の電力損失は、それぞれの線路の電流と抵抗から
求める事ができる。線路1の負荷接続点の電圧が6600V一定に維持されるように送電する
こととし、その結果、線路2の電圧が6650V一定となった。
そのとき、両線路の合計の電力損失はA(ab.c)(kw)となる。
1)解説と解答
それぞれの線路電流を求めます。
P=√3×V×I×cosθ
2000×10^3=√3×6600×Ia×0.8 Ia=218.69A
1200×10^3=√3×6650×Ib×0.95 Ib=109.67A
線路1の電力損失
Pl1=3×I^2×r =3×218.69^2×0.4 =57.39kW
線路2の電力損失
Pl2=3×109.67^2×0.4 =14.43kW
両線路の合計の電力損失
Pl=57.39+14.43 =71.82kW
(A)71.8
√3の計算は1.73では正確な数値がでないので注意です。
2)問題
開閉器Sが閉路のとき、負荷接続点の電圧が6600V一定で、両線路の電流は一定となる事から、
各線路の1相当たりの電流はB(abc)(A)となる。これにより、発生する線路の電力損失は
両線路の合計でC(ab.c)(kW)となり、開閉器Sが開路の時より低減する。
2)解説と解答
それぞれの負荷電流を求めます。
P=√3×V×I×cosθ
2000×10^3=√3×6600×Ia×0.8 Ia=218.69A
1200×10^3=√3×6600×Ib×0.95 Ib=110.5A
それぞれの負荷電流を足した値が2回線の合計電流値です。
I=Ia+Ib=218.69+110.5 =329.19A
2回線あるので1回線にはその半分の値が流れる事となります。
329.188/2=165A 解答は163Aです。
発生する線路の電力損失は
Pl=2×3×I^2×r=2×3×163^2×0.4 =63.8kW 解答は63.5kWです。
(B)163 (C)63.5
解答と数字が合いませんでした。解答方法が違うかもしれません。
3)問題
開閉器Sが閉路の時、負荷接続点におけるA棟とB棟を合計した負荷の力率を100%に
改善するため、図の破線のように接続した。
ⅰ)問題
設置した進相コンデンサの必要容量はD(a.bc^d)(kvar)である。
ⅱ)問題
進相コンデンサ設置により力率が100%に改善されるため、線路1と線路2で発生する
電力損失は合計でE(ab.c)(kw)となり損失量は低減する。
ⅰ)解説と解答
負荷の力率を100%にするために負荷Aと負荷Bの無効電力を求め無効電力と同じ容量の
進相コンデンサを設置します。
負荷Aの皮相電力Sa=負荷Aの有効電力Pa/力率cosθ 2000/0.8=2500kVA
負荷Bの皮相電力Sb=負荷Bの有効電力Pb/力率cosθ 1200/0.95=1263.16kVA
無効率sinθ=√(1^2−cos^2θ)
負荷Aの無効電力Qa=負荷Aの皮相電力Sa×無効率sinθ =2500×√(1−0.8^2)
=2500×0.6 =1500kvar
負荷Bの無効電力Qb=負荷Bの皮相電力Sb×無効率sinθ =1200×√(1−0.95^2)
=1200×0.312249 =374.7kvar
力率を100%にするための進相コンデンサ=負荷Aの無効電力Qa+負荷Bの無効電力Qb
=1500+375 =1875(kvar)
D(a.bc×10^d)(kvar)の形に合わせると1.88×10^3 解答は1.89×10^3です。
(D)1.89×10^3
ⅱ)解説と解答
それぞれの負荷電流を求めます。
P=√3×V×I×cosθ
2000×10^3=√3×6600×Ia Ia=175A
1200×10^3=√3×6600×Ib Ib=105A
2回線あるので1回線にはその半分の値が流れる事となります。
280/2=140A
発生する線路の電力損失は
Pl=2×3×I^2×r=2×3×140^2×0.4 =47.0kW
(E)47.0
長くなったので続きは下記のページで解説します。
コメント